特定接続サービスについて
通常、携帯コンテンツを運営していると大量にdocomo宛にメールを送らねばならないことがありました。しかし、一部のメールが届かなかったり、ドメイン指定で拒否される個数が多ければDoCoMoサーバから拒否される、というリスクがあります。
しかし、DoCoMoはそうしたコンテンツ運営者やメールマガジン発行者に対して利用できる特定接続サービスというものがあります。簡単に言うと、メールを送信するために特定のドメインから大量に送られた際、拒否されているドメインが大量発生しても、存在メールが大量にあったとしても、つなげられる人に対しては接続できるというサービスです。登録に必要な書類は以下の通りです。
- 特定接続サービス新規申し込み書
- ネットワーク構成概要図(SMTPサーバからインターネットへの接続図)
- 特定サービスを利用する予定の業務概要
- 契約者、担当者の公的証明書(免許証写し、印鑑証明書(3ヶ月以内のもの)
- 社員証、名刺など契約者との関係が分かるもの
- 商業登記簿謄本
- 現住所の確認のできる書類(原本)以下のいずれか
- 公的料金請求書・領収書
- 納税証明書(直近年度のもの)
- 自動税・固定資産税領収書(直近年度のもの)
- 利用している携帯電話番号
※この特定接続サービスの申し込み用紙には、【自分が使っているグローバルIP】が必要になります。
送り先(近畿の場合)
〒530-0001
大阪市北区梅田1-10-1 梅田DTタワー14F
NTTドコモ関西「特定接続サービスセンタ」宛
申し込んでからしばらくすると、設定IPアドレスなるものが与えられますので、それを使って設定をする必要があります。
特定接続サービスの設定方法
正直、サーバをいじれる人でないと難しいです。主にDNSか、sendmailの設定の知識などが必要になります。特定接続サービスの設定方法は以下の通りです。なお、DNS側で設定するか、MTA側で設定するかはそれぞれのサーバ運営ポリシーに従ってください。
以下が自分のグローバルIPアドレスと設定用アドレスです。
- 【お客様(自分)側グローバルIPアドレス】以下では仮に【10.0.1.1】とします。
- 【自分のホスト名】以下では仮に【ns.foobar.com】とします。
- 【設定IPアドレス】…DoCoMoから支給されます。以下では仮に【10.0.1.2】とします。
- 【設定サービスのホスト名】…ユーザー任意で設定できます。今回は仮に【foo.docomo.ne.jp】とします。
DNSによる配信先の変更設定例
以下では BIND を使った設定例を表示しておきます。
//named.confの設定
//1.以下のzoneを追加します。
//まずはdocomo.ne.jpの正引き(名前→IPアドレス変換)用のゾーンを追加します。
zone "docomo.ne.jp"{
type master;
file "db.docomo.ne.jp";
};
//次は特定接続サービス用IPアドレスの逆引き(IPアドレス→名前変換)用のゾーンを追加
zone "2.1.0.10.in-addr.arpa"{ //特定接続サービスのアドレス
type master;
file "db.2.1.0.10-in-addr.arpa";
}
次にdb.docomo.ne.jpファイルを作成します。即ち、特定接続サービス用正引き定義を記述します。
$TTL 86400
@ IN SOA ns.foobar.com.admin.foobar.com(
2004081901;Serial
3600;refresh
900;retry
604800;expire
600;ttl
)
IN NS ns.foobar.com. //docomo.ne.jpに対応するネームサーバを設定
IN MX 5 foo.docomo.ne.jp. //docomo.ne.jpドメインのメールサーバ名の設定
foo IN A 10.0.1.2 //上記メールサーバ名に対応するアドレス
db.2.1.0.10.in-addr.arparファイルの作成します。特定接続サービス用逆引き定義を記述します。
$TTL 86400
2.1.0.10.in-addr.arpa. IN SOA ns.foobar.com. admin.foobar.com.(
2004081901;Serial
3600;refresh
900;retry
604800;expire
86400;ttl
)
;//特定接続サービス用のIPアドレスに対応するネームサーバの設定
2.1.0.10.in-addr.arpa IN NS ns.foobar.com.
;//特定接続サービス用のIPアドレスに対応する名前の設定
2.1.0.10.in-addr.arpa IN PTR foo.docomo.ne.jp.
MTAによる配信先の変更設定
MTAに静的経路を設定することによって、DNSを使用せずに配信先を設定することができます。以下にsendmail、qmail、Postfixでの静的経路の設定例を示します。
sendmail
CF(sendmail.cf生成ツール)でSTATIC_ROUTEを設定します。
"sendmail.def"ファイルへ以下を記述します。
STATIC_ROUTE_FILE='/etc/mail/staticroute'//staticrouteは任意のファイル名
"/etc/mail/staticroute"ファイルの生成
GW smtp:[10.0.1.2] //配信先:特定接続サービス用のIPアドレス
DOM docomo.ne.jp //ドメイン:docomo.ne.jp
qmail
/var/qmail/control/smtproutesに<宛先ドメイン>:<転送サーバ>の形式で記述します。このとき、余分な空白を入れると正しく動作しない様子。とりあえず"smtproutes"ファイルへ以下を記述します。
docomo.ne.jp:10.0.1.2 //ドメイン:docomo 配信先:特定接続サービス用IPアドレス
Postfix
/etc/postfix/main.cfファイルに記述します。
"main.cf"ファイル
transport_maps=hash:/etc/postfix/transport
次に/etc/postfix/transportファイル(配送テーブルファイル)に記述します。
"transport"ファイル
docomo.ne.jp:[10.0.1.2]
10.0.1.2の箇所は、IPアドレスかHOST名を入力してください。以下のコマンドを入力してください。
# /usr/sbin/postmap /etc/postfix/transport
# /usr/sbin/postfix reload
MTAによる静的経路の設定では、DNS使用時の特定接続サービスと一般接続サービスの併用に相当する設定をすることはできません。
特定接続サービスのありがちな罠
個人的にはまってしまった罠について一応書いておきます。
- DNSとMTAの設定をしてしまった。→どちらか一つ設定するだけでOKなのでこの行為は無駄
- Postfixの設定を変更した後(main.cfをいじる等)、再起動する前にtransportの適応を忘れる→再起動する度に設定する必要があるかも
